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3.南オーストラリアの行政相談委員

(南オーストラリアのオンブズマンは、オンブズマンに対する公衆からのアクセスを改善するための一つの方法として、州の各地に置かれた裁判所に常駐している「治安判事」の一部に、オンブズマンの業務の一部を代理させ、苦情の受理や処理を行わせることを、日本の行政相談委員制度を参考に考えられました。以下、このことに関する部分を「背景草稿」から抜粋したものです。)

 

3−1.

私は今、あなた方にとって、そして私にとっても身近な話題に直面している。一市民がオンブズマンのところに行くための手段。オーストリアの護民官Volksanwaltschaft(オンブズマン)の前長官であるヴィクター・ピックル博士Dr.Victor Picklは、オンブズマンのオフィスのドアはヒルトンのドアと同じくらい広いのかもしれないが、市民がそれがどこにあるのかを知っていなければほとんど役には立たない、と述べた。アクセスの問題は、世界中のオンブズマンの継続した関心事である。ピックル博士が述べたように、そのことには、〔オンブズマンに関する〕認知ということだけでなく、市民にとって〔オンブズマンの〕事務局が利用しやすいかどうかということも必然的に含まれている。そこには〔事務局までの〕距離のために、また特にオーストラリアのような多文化社会においては、言葉や文化といったような壁のために生じるアクセスの問題があるだろう。

 

オンブズマン共同委員会the Joint Committee of the Ombudsmanはこの問題を十分に重要なものと考え、「オンブズマンの役割、およびその事務局へのアクセスの程度についての、若者・アボリジニー・少数民族社会のメンバー・マイノリティ・不利益を受けているグループの理解度に関する調査」を実施した。(報告書は1994.9に発行された)。

 

オーストラリアは世界で六番目に広大な国で7,682,300平方キロの面積を有しており、そのうちのおよそ100万平方マイルが南オーストラリア州となっている。南オーストラリア州の72パーセントがアデレード大都市地域に居住し、残りは地方の町や郡区に分散している。(連邦のオンブズマンを除いて)オーストラリアのオンブズマンのほとんど全員に地方を訪問して苦情申立てを聞く定期的な計画がある。

 

3−2.

しかしウィーンでの第5回オンブズマン国際会議の席で日本の総務庁行政監察局の塚本壽雄氏から、私は初めて日本のオンブズマン制度についての話を聴いた。次に1994年、ニュージーランドのタウポ湖Lake Taupoでの第14回オーストラリア太平洋会議において日本の代表と楽しく交流したのだが、とりわけ行政監察局の制度、更に日本の社会において既に引退した年配者が基本

 

 

 

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